愛知県瀬戸市、昔ながらの家屋がちらほら残る街に吹きガラス工房一星はあります。代表の山田奈緒子さんは、日々お一人で再生ガラスでコップやお皿など日用食器を作り出しています。
大学では写真学科を専攻していたという山田さん。大学を卒業後、元々住みたいと思っていた沖縄に行き、1ヶ月くらいで帰るつもりが気がつけば8年。ガラスの道を選んだのも、周りに焼き物をやってる人が多かったのでじゃあ自分はガラスでもやるか、と身軽な気持ちからのスタートでした。
修行先である宙吹ガラス工房虹で再生ガラスに出会い8年間修行をしました。再生ガラスは固まるのが早い為おおらかな仕上がりになる、そんなところが気に入って再生ガラスでのものづくりを続けています。
修行時代は、同世代の男性と同等に働く必要があり体力的に厳しい毎日が続きました。そんな男社会で修行を続けていくうちに自分で作りたい、自分の思うようにやりたい、と独立心が芽生え始めたそうです。そして30歳のタイミングで、ご主人の地元である瀬戸で独立をします。割と何も考えないで独立したとおっしゃる山田さんからは、やりたいことをやりたいという強い意志と気持ちの動くままに行動する身軽さを感じます。
山田さんは灯油を原料に使う、灯油窯を使っています。ご自身で作った窯です。ガラス、陶芸共に窯をご自身で作ってしまう方々はよくいらっしゃいますが、お会いするたびに本当にすごい!と思ってしまします。使っていて、中が崩れたり壺が割れたりするから何度も直しながら作り替えています。
一日の燃料と吹ける時間が決まっているので、吹く時は吹きまくるそうです。意外にも”あと何個作ったらええんやろ、暑いー、お腹すいたー”とそんなことを考えながら作っているそうです。
近所の会社から頂いてくる再生ガラスの原料となる空き瓶は、瓶を洗ってラベルを剥がして綺麗にして割って、そしてようやく原材料になります。
吹きガラス工房一星として独立して17年。”たくさんお店に卸しているものの本当にお客さんは買ってくれているのか?!この目で確かめたい!”という理由で少し前まではクラフトイベントにも参加していました。面白い理由だなと笑ってしまいましたが、そんな経験があるからこそ”本当皆さんのおかげですわ”と話の端々に周りへの感謝を忘れない姿勢を感じるのだなと思いました。
休みの日は山に行ってリフレッシュするという山田さん。ずっと家にいるせいか、森林浴したい!深呼吸したい!という想いが年々強く湧いてくるそうです。
”もしガラスをやってなかったら…と考えると怖くなる”ガラスを作るのは大変だけど楽しい、一人でのびのびとガラス作りを楽しみ、出来上がる山田さんのガラスは”おおらか”そのものです。そしてとても美しいです。彼女の飾らない軽快な心地さが表れているようなガラスたちをぜひご覧ください。
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