秋田県秋田市。秋田空港から20分程度車を走らせたところに中嶋窯はあります。辺りには畑と山と木々だけの素晴らしい景色が広がります。空気が本当に美味しいところです。
美術学校を卒業後、瀬戸と青森で技術を身につけ、河井寛次郎が好きだったことがきっかけで紹介してもらった島根県の森山窯でさらに修行を積みました。様々なところで技術を磨き、10年が経ったタイミングで奥さまのご実家のこの地に開窯しました。水木しげるが好きだという中嶋さんは「水木しげるも50歳過ぎてから色々仕事が増えてきたので、自分も50歳までに食べられるようになればいいやと思っていたんですけどね」と少し東北訛りの優しい口調でおっしゃいます。
永く使えるものが好きだと言う中嶋さんは、永く飽きずに使えるものをご自身でも作っていきたいそうです。使って良かったものや見て良かったものからヒントを得て中嶋窯のうつわは出来上がっています。
東北の寒い土地では焼き物作りは大変なことが多く、冬場は雪が沢山降るので色々なものが凍ってしまいます。冬場はかなり過酷な環境でうつわ作りをされている中嶋さんですが、うつわ作りの全ての工程が楽しいと仰います。一つくらい嫌な作業あるんじゃないかなーと思い聞いてみましたが、嫌だと思う作業は何も無いそうです。
冬場の雪の影響で、現在はガス窯で焚いていらっしゃいますがいずれは薪窯で焚いていきたいそうです。しかし何よりも続けてやり続けるのが一番の夢だと仰います。作ってて楽しいし、やればやるほど上手くなるからやり続けてどんどん上手くなりたい、と穏やかな口調でおっしゃる中嶋さんからは本当にうつわ作りが好きなんだなーという熱意を感じつつも、良い意味で所々気が抜けた程よい空気も感じられます。
秋田の人の穏やかで優しいところが好きだと言う中嶋さん自身も、秋田の人らしく穏やかで人のそのままを受け入れるような優しさがあり、中嶋さんがおっしゃる秋田の人だなと感じました。
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